春嵐

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金曜日。 その日は、午前中に講義が一つもない。 つまりは朝寝坊しても大丈夫な日である。 昔から朝が弱い康太にとっては正直嬉しい。 高校までは毎日朝7時起きだったため、お昼近くまで寝ていられるのは幸せだった。 時刻は11時30分。 さすがにそろそろ起きないと午後からの講義に間に合わなくなる。 服を着替え、朝昼兼用のご飯を食べてから自宅を出る。 大学に着くと、昼食を摂る学生達で賑わっていた。 既に昼食を摂り終えた康太は、まだ時間には早かったが講義室に赴く。 さすがに講義の1時間前には誰も来ていない。 康太はいつものように後ろ側の席に着き、バッグから文庫本を取り出す。 『天剣の姫騎士 Ⅲ』 バトルファンタジー系のライトノベルだ。
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