春嵐

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春の暖かな日差しが眠気を誘い、講義は始まる。 そして、一人また一人と机に突っ伏していく。 「午後からの講義って眠いよねぇ......」 真希が前方の同輩を見やりながら言う。 「まぁ、この時間帯は仕方ないよ......ふぁ......」 眠気が感染したのか欠伸交じりに康太は頷く。 「あっ、そだ......今週末って何か予定ある?康太......」 何かを思い出したかのように真希は康太の方を振り返り尋ねる。 「......今週末?」 「うん......」 「多分、何もないと思うけど......」 講義室の天井を見上げながら週末の空白の予定を思い出す。
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