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「じゃあ、二人でどこかに行かない?」
「えっ?......それって......」
「うん、デート!......」
弾んだ声で真希は言う。
「............」
だが、康太は次の言葉に迷う。
「......嫌なの?」
「......いや、嫌ではないけど......」
康太はまだ女の子と付き合ったことがなければ、勿論デートなんて一度もない。なのに、いきなりデートをするなど康太にとってはまだ昇れない大人の階段である。
「じゃあ、水族館か映画館。行き先は康太に選ばせてあげるから......」
相変わらずのペースで真希は話をどんどん進めていく。
まるで飼い犬のリードを引くように。
ーー拒否や逡巡する暇を与えず。
「......でも、その......」
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