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「ねぇ、ちょっと聞いてもいい?」
講義が終わり、机の上に突っ伏していると梨沙が話しかけてきた。
「......う、うん......何?......」
「......真希から聞いたんだけど、一条君って女の子が苦手なんだよねぇ?」
「うん......そっ、そうだけど......」
真希以外の女の子との二人きりの会話に康太の声は上ずる。
「......でも、いつも真希と一緒にいるよね?......別に二人の仲を邪魔しようって訳ではないんだけど、その......一条君、何ていうか大丈夫なのかなぁ......って......」
「......あぁ、何でか分からないけど崎本さんは大丈夫みたい......」
「......そうなんだぁ、それならよかったー。私、一条君が無理して真希に付き合ってるんじゃないかとちょっと心配になっちゃって......さっきも週末デートの話してたし......」
御手洗いから戻り、二人の会話を講義室のドアの横で聞いていた真希から安堵の吐息が零れる。
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