◆・うしろの……・◆

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◆・うしろの……・◆

夏祭りの夜――― 祭りも終盤に差し掛かり、もうすぐ恒例の僅かばかりの花火が打ち上げられるらしく、数分後には始まると言う内容の案内アナウンスが、古いスピーカーからくぐもった声で何度も流れてくる。 そんな最中、物陰で人目を忍び、ついさっき知り合った男に背を向け、体温をシャツ越しに感じる。 背中にズシリと体重をかけられ、壁についた手でのし掛かってくる体をなんとか支えていることを、うしろのコイツはバカのせいか微塵も感じていないようだ。 小柄な自分よりも広く筋肉質で硬い体をしているのが伝わってくる。 荒く乱れた息を吐きながらも、そのペースは最初と比べても衰えることを知らない。 (ダル……さっさとイケよな、ヘタクソ!…) SEXマニュアルをガッツリ読み込んできたような、誰も彼もが似たり寄ったり。 まあ、最初は誰かのAV見てシコってたのが、彼女ができて実践を重ねて今に至るんだろうけどさ…… (求めてるのそこじゃねえって、わっかんねえかなあ?抱いた女の数が自慢なんだろうが!下半身ユルユル男が!) 「…ぁん……はぁん……そこ…気持ち…い……」 気持ちよくもねえのに、仕方なく腰を動かさなきゃならねえこっちの身にもなれっての。 (おら、お膳立てしてやっただろうが!サクッとイケよ、ボケッ!) 「遥ぁ……俺もイイ……ねえ、その可愛い顔にさぁ、かけてイイ?」 「は?」
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