第一章 現在と過去

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「決まった材料しかありませんよ」  それは違うと政宗は知っていた。 ユカラには常に、 数日ないし数か月分の、食料の備蓄がある。  市場から持ち込まれる食料を横目で見ると、 政宗は腕の端末を操作した。 すると、機械が運んでいたじゃがいもの山が、 政宗の車に近寄ってきた。 「じゃがいも、にんじん、きゃべつ。 パスタ、小麦粉、卵…」  不正ではない、 ちゃんと正規に申し込んでいるよと、 政宗は端末の許可証を見せた。
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