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「そういうことにしといてやるよ。で、転生とかいう話だけど、具体的にはどうすればいい?」
「そうだな、それが最優先事項だった。」
ツカツカと、靴音を鳴らして近づいてくると、オレの目の前にスクリーンのような物を出現させた。
「これが、君の転生先だ。リーブエスタという異世界……、君の世界とは違い、魔法が存在している。」
「魔法だと…?」
スクリーンに投影される、異世界リーブエスタの世界観というか風景を見ながら、オレは尋ねた。
「あぁ。リーブエスタの人間……いや、生物には魔臓と呼ばれる特殊な臓器がある。そこで魔力を生成し、魔法を使っている。」
「リーブエスタに転生するってことは、オレも魔法を使えるようになるのか?」
神は、静かに首を振った。
「いいや、残念だが。転生にも色々とルールがあってね。天命を全うした者の転生においては、体の構造を変えるわけにはいかないのだよ。」
「なんだと…? じゃあオレは魔法が飛び交う世界に、この体一つで出て行かなけりゃいけないってことか?」
それは、余りにも無謀じゃないか。
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