序章

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「…ん……んぅ……?」 目覚めたばかりの僕の言葉は、呂律が回ってはいなかった。 何で眠っていて、どうして今目覚めたのかもわからなかった。 「…此処は…何処?」 覚醒しきってない頭で周囲を見回すと、そこは一面真っ白の世界だった。 上下左右、何処を見回しても真っ白なので、自分の視点が何処に向いてるのかもわからなくなった。 「とりあえず、起き上がって…って、あれ? 身体が…透けてる?」 身体を動かそうとすると、普通なら見えているはずの手足が見えないのだ。 動かしている感覚は感じるのに、見えないというのは変である。 此処で、普通なら驚いたり、パニックになったりするのだろうが、まだ完全に目覚めきってないからなのか、はたまたこの空間のせいなのか、幾分冷静でいられた。
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