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『結構ですっ!間に合ってます!』
『キスもまだなくせして、彼がいるとしたら。
よほどのシャイか間抜けね、手を出さないなんて』
『か、彼なんか…』
『《いません》でしょ?』『だったら?彼がいなきゃ悪いんですか?』
『寂しいクリスマスイブに嘘彼になってあげる。
悪いなんて一言も言ってない。
さぁ抱きついておいで』
『このド変態っ!あたしは初対面に抱きつくような軽い女じゃありません』
『寂しい女ぁ』
『ケーキを食べたら出ていってっ』
『ケーキごちそうさま、邪魔したわね』
相川克哉はパスタの皿2枚が入った袋を持って玄関にいた。
『あのあたしの方こそパスタありがとうございました』
『あら、急に大人しくなって。
寂しい?添い寝が必要?』『寂しい?添い寝?
出ていって』
『じゃあ、大人しく出ていくけど。
床に落ちていた黒いレースのキャミソール手にしてるけどお持ち帰りで良いのかしらね?』
そう言って高くあげながらニヤニヤする相川克哉は、悪魔のよう。
『返してっ!』
『なんかこれでインスピレーションひらめきそう。
貸してくれる?』
『返して!』
ぴょんぴょん跳ねるあたしを見て諦めたように、苦笑しキャミソールを返してくれた。
『そこに落ちてるブラを拾わなかっただけマシだと思いなさい(笑)』
そこに落ちてるブラ!?
あたしは振り返り確かにブラが落ちているのに悲鳴をあげると、悪魔の克哉は楽しそうに笑いながら帰っていった。
前のアパートなら日付が変わる時間にこんな大声出したら苦情がくるわね。
あたしは苦情が来やしないかとヒヤヒヤしながら立ち尽くしていた。
シンとした廊下…
防音設備が良いっていうのはありがたいな。
ドアを開け様子を伺っていたあたしは苦情がない事にホッとしていた。
手にはキャミソールを持ったまま。
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