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『あたし、ラフォーレ中野ってマンション名言ってないし』
『バスの中で【ラフォーレ中野は中野公園前のバス停】って言ってたわ』
『聞いてたの!?っていうか着いてこないでっ』
『何処に行こうが勝手じゃない』
『誰か、この人変しーー』
赤いコートはあたしの口をふさぎ肩に手を置いた。
『シッ!近所迷惑よっ』
赤いコートが言うようにマンションへ向かう道は住宅・公園、そして大きなスーパーがあるくらいだ。
夜10時に道ばたで声をはりあげてたら…悔しいけど赤いコートの言うとうりかもしれない。
『叫んだりしないから手を離して、そして着いてこないで』
『夜の女の1人歩きは危険よ』
赤いコートはあたしから離れ後ろから着いてくる。
着いてくる!
あたしはクルッと後ろを向きまた声をあげた。
『着いてこないで!この変たーー』
『ずいぶんな言われよう』あたしが最後まで言わなかったのは、
赤いコートがあたしのケーキを取りスタスタと早足でマンションへと急いだから。
『あたしのケーキ!』
『クリスマスイブなのに彼と甘い夜には無縁なの?
1人で部屋でケーキなんだ?』
『返して』
あたしは赤いコートを追い、手にしているコンビニ弁当がガサガサと音をたてる。
赤いコートはマンションに入りエレベーターを待つ。『ケーキを置いてサッサッとマンションから出ていって!』
『出ていけるならね!』
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