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僕の名前は、鈴野琴都(すずの こと)
町から少し離れた細い路地の先ある場所で、 女装癖のあるマスターが、営んでいる喫茶店がある。
そこで、僕は一週間前から、働かして貰っている。
「もう、一週間か?随分、慣れたな」
声を掛けてくれた暮れたのは、僕が、ここで 働けるようにしてくれた人である。
「はい、マスターや周りの人のお陰ですし、 何より、宮崎さんのお陰です」
本当に感謝言いようがない。
「そうか」と頭をぽんぽんとされた。
頭を置かれた場所に自分の手のひらを置いて、はにかんでうつむいてしまった。
頭をぽんぽんとされてなんか、嬉しい……
「どうした?」
「いえ、なんでもないです。 し、失礼します」
いきなり顔を覗かれ動揺のあまり奥に逃げてしまった。
あまり、そういうことに、慣れない。
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