14人が本棚に入れています
本棚に追加
隣の席の関谷くんは不思議な人だ。
最近、お母さんを亡くし、
お父さんは仕事が忙しい人なので、
おばあちゃんの家に引き取られて
うちの高校に転校してきたらしい。
羨ましいくらいに
白くてつるんとした肌。
長い睫に切れ長の目。
真っ黒なさらさらの髪。
まるでお人形さんみたいで、
ほんとに
他の男子と一緒なのか疑いたくなる。
「葛木さん、ノート、半分持とうか?」
「えっ、あっ、ありがとう」
その日は日直で、
集めたノートを
職員室に持っていこうとすると、
関谷くんに声を掛けられた。
こんな風に話すのは初めてで、
ちょっと緊張。
白くてきれいな関谷くんの手が、
私の手からノートを取る。
なんかもう、それだけでドキドキする。
最初のコメントを投稿しよう!