第1章

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「どうか、した?」   ……ううっ。 お願いだから、 そんな風にのぞき込まないで欲しい。 私の顔が 赤くなっていることに気付いたのか、 関谷くんはくすりと笑った。   教室に戻る途中で 迷い込んだ猫を見つけた。 「可愛いー」   猫は警戒しているのか、 一定の距離を保ってる。 「ちょっとまって」   そういうと関谷くんは ポケットから出した煮干しを 猫の目の前に置いた。 猫は少しにおいを嗅ぐと、 それにかぶりつく。 「食べてるー。 ……というか関谷くん、 いつもあんな物持ち歩いてるの?」 「ああ。猫、好きだから」
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