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先程まで快晴、試合が終わるまで雲一ありはしなあかったし、天気予報でも今日一日は晴れるはずだった。急激な変化。
そんな中、クラクションが鳴り響く。身を乗り出してみると、目の前から巨大なトラックが迫ってきていた。
完璧に、ハンドルを取られてる……ぶつかる――!
「おわっ!?」
哲也は目を覚ました。
――あの夢……昨日と同じだ。
眠気の残る眼をこすりながら窓の外を見てみると、もうすぐ高校に着く馴染みのある道路だ。
空を、見上げてみた。先程まで快晴だった空が一転、すっかり曇天となっていた。雨風も、一秒ごとに激しさを増している。
あの夢の中みたいに。
「ど、どうしたよ?」
同じように寝ていた淳が、焦ったように訊いてくる。その言葉を無視して、哲也は運転手のもとに走って行った。
「運転手さん! 今すぐこの道をそれてください!」
「ど、どうしたんだい、急に」
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