第1章

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植木瑠衣子。26歳独身。ファミレス勤務。都内在住。彼氏なし。 これといった趣味なし。これといった特技もなし。平凡な両親の元に生まれて平凡な家庭で育ってそこそこの大学を出たけどやりたいことは特に見つからず。就活で何十社も受けたけど、教科書的な自己アピールはおじさま達の目にはバレバレのようで、聞き飽きた語句はロボットのように話す自分の薄さを助長した。 特徴のないわたしは特徴のないわたしのことを酷く嫌っていた。昔から、変わりたい変わりたいと思いながらどう行動すればいいのか分からなくて。結局変われない自分と歩いていかなきゃいけない26年を過ごす。時間が経てば経つほど自分のことが嫌いになる。なんて厄介な性格。幸せになれないことは目に見えている。 単調な生活は学生生活が終わってからも変わることなく過ぎ去っていくばかりだった。
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