第1章

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「植木さん、ちょっといい?これさー、どうなってんの?請求数ここにちゃんと書いてあったでしょう。なんで烏龍茶が70箱も届いてるの」 「あ、、、すみません。昨日の深夜勤務で発注頼んだんですけどぼーっとしてしまって、、、書き間違えです。」 「もう、ほんとしっかりしてよ。4年目でしょう。こんな新人みたいなミス。深夜でぼーっとするのは分かるけど、夜中ぼーっとするって分かってるんならちゃんと休んでから来る、いつもの倍気を引き締める。そのくらいできるでしょ?同じこともう言わせないでよ。」 「はい、申し訳ありませんでした。」 もう、辞めちゃおうかな、この仕事。向いてない。失敗する度にそう思う。少なくとも自分で選んで、少しでも興味があったから始めたはずなのに。新人の時の、頑張ろう、努力しようって思う、向上心みたいなものも薄れてきている気がするのが手に取るように分かる。ゆとり世代と言われる所以なのか、根性が足りない。造語の魔力に引っかかっているような気もするけど。自分で自分の甘さも感じているけど。 「ここでダメなら何をやっても頑張れない。 今ドロップアウトしたら勿体ないよ。」 いつか言われた言葉を思い出した。 それは、分かっている。分かっているつもりだ。あの人が言った言葉だから、私はその言霊に引っ張られていつまでもズルズルと辞められずにいるのか。自分でもそれは分からなくて。
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