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ギラギラと照りつけてくる太陽
雲ひとつない綺麗な空
そんな夏の日
僕の心は、凍てつく冷気によって固められてしまったかのように寒く重たい。
僕の大好きだった彼女の優しい眼差しが、フラッシュバックのように蘇っては、今の現実を受け止めきれなくて吐き気がする。
それでも僕は彼女を引き止める事が出来なかった。
それは別れ際の彼女の目が、あまりにも揺るぎないもので、異論を唱える事を許さなかった。
そして、その決意の目をした彼女は、とても美しく、どこか儚げで、僕はその場に立ち尽くすだけで、声を発することさえ出来なかった。
僕にはもう何も出来ない…
ただこの痛みが、時間が過ぎていくのと同じように、ゆっくり消えていくのを待つしかないと
そう思っていた。
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