0人が本棚に入れています
本棚に追加
別れを告げられて1ヶ月が過ぎようとした。
僕は、今を生きる努力を完全に放棄したままだった。
あの別れを思い出しては、悲しみに浸るある日
僕は久しぶりに外へ出た。
目的はないが、部屋には2人で撮った写真など幾つもの思い出が詰まっており、そこに居る事が居た堪れない気持ちになったからだ。
季節は夏から秋に変わろうとしているが、相変わらずの残暑でうだる様な暑さが続いてる。
近所のマクドナルドの看板が見える。
この看板を見るといつもこう思っていた。
あともう少しだ!と。
彼女の家は、このマクドナルドのすぐ後ろにある。
彼女の家へと迎えに行く途中、この200m先という看板を見るとまるで
[あと200mで彼女との楽しい1日が始まるよ!]
と僕に語りかけてくれてる様で嬉しかった。
そんなあの頃を懐かしみながら、その方向に歩いていった。
そして、何かに導かれる様にして彼女の家の前まで来ていた。
僕はふと我に返った。
(何をやっているんだ……)
(これではストーカーみたいじゃないか)
(いつまでも未練タラタラだなぁ…)
そんな事を思いながら、急いで引き返そうとしていたら、突然声をかけられた。
「あら!久しぶりね。」
彼女の母だった。
最初のコメントを投稿しよう!