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足がない彼女が居た。
「ひっ……。」
片足で赤い液体の真ん中に立ち、鍋をかき混ぜる彼女は鼻歌交じりに楽しそうだった。
俺の声を聞きこちらを見るが、俺は恐ろしくて、床から目が離せれない。
「どうしたの?まだ出来てないから座っててよ?」
何も無かったように話す彼女の異常性に冷たいものを感じる。
逃げろと頭は言うくせに、足は全く動かない。
「もう、そんなに早く食べたいんだ?私も早く一緒になりたいよ。ねぇ?」
片足の者が近付いてくる。
怖いのに体は動かず、カタカタと震えるだけ。
「食べてくれるよね?彼氏だもん」
口元に当てられたお玉には、肉が乗っていた。
なんの?なんの肉だ?まさか、彼女の……。
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