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金色に光る鍵を机に置くと、かちゃりと金属が音を立てた。
イズミは慎重に部屋の扉を閉め、中心に座っている男と向き合った。
「どうだった?彼は」
両脇に女を侍らせ妖艶な笑みを浮かべながら、男は口を開いた。
「自信はあるみたい。貴方も気をつけないと足元を救われるわよお。一応彼、強いし」
楽しげな口調とは裏腹にイズミは冷ややかな視線を彼に送りつける。
「これはただのゲームよ」
「そうなるかは、君と千葉くん次第だね」
「まるで私がおもちゃだというような口振りね…これでも少しは貴方のことを買ってるんだけどお」
「それは誤解だ…トーナメントは楽しくなりそうだよ」
そう言って、佐藤光一は側近の腰を抱いて薄暗い部屋の奥へと消えていった。
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