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「そういえば藤生くん、イズミと喧嘩しちゃったの?一緒にいないみたいだけど…」
さすが友達なだけあって、鋭い指摘だ。この様子だと、イズミからは話を聞いていないようだ。
「イズミと喧嘩しちゃったなら、藤生くん元気だして。そのうちイズミの方が藤生くんのこと恋しくなっちゃうと思うよ!」
それはどうだか…
イズミは俺の彼女だが、あまりにもタイプが違うため、よく周りから何故二人は付き合ってるんだ?と聞かれる。
俺自身もよく分からない。
紅葉さん、俺のことを慰めてくれている…と、じんわり感動していた俺だが、紅葉さんは俺の腕を強く握り、廊下にズルズルと引っ張ってきた。
「も、紅葉さん何を…っ」
「ごめんね藤生くん、中川先生が見えなくなっちゃいそうだったから…今から先生のところに行くけど、藤生くんついてきてくれるよねっ?」
許可をとる云々の前に、紅葉さんの力が強すぎて二の腕が割れるんじゃないかと思う。
強大な腕力の前では大人しく従うしかなかった、ひ弱な俺。
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