序章

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「あ~中川先生と話せて嬉しかった!付き合ってくれてありがとう、藤生くん!」 紅葉さんが頬を赤らめ、嬉しそうに言った。 「いや、俺は何もしていないけど…そろそろ教室戻ろうか」 紅葉さんと他愛のない話をしながら廊下を歩いたが、俺の意識は別のことを考えていた。 中川先生を前にしていた紅葉さんを見て、俺はイズミにあんな表情をさせたことがあったっけ、と。 俺たちはいつも2人でいるとき、どんな話をしていたっけ。 俺は気が利かないし、話も面白くないからイズミは退屈していたのかな。 自分でそう思っておいて、俺は少し落ち込んだ。
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