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きっとみんなあるのかもしれない。内容なんて、何も覚えてない虚しくやるせない夢を見ることを。でも日々時間の中に引き摺られて、すっかり夢の事など忘れてしまって、同じ一日を繰り返す。
シェイクスピアは言う。「今望んでいるものを手にして、何の得があろうか。それは夢、瞬間の出来事。泡のように消えてしまう束の間の喜びでしかない。」私もそう思う。そう、強く思う。
よく見る夢の内容は皆違うのかもしれないし、同じかもしれない。一緒に働いている真由美と一緒かもしれないし、電車で隣に座る中年男性と一緒かもしれないし、産まれたばかりの赤子と同じかもしれない。もしかしたら呪いをかけられ100年の眠りについた茨姫と同じものかもしれない。
貴方はどうだろうか。疲れた顔で血を巡らせ、ただただ呼吸をして、日々を繰り返す中で眠り見る夢が私と同じものであればいいのにと、今日も一日を終え、暖かな布団の中で私はそう思いながらまた同じ夢を見るのだ。
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