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結婚というものに大した意味を感じていなくて、只の飾りのように感じていた俺は初めての結婚相手、美沙との結婚を心の中で簡単に決めて浮かれていた。
借金が美沙の金で全部無くなるし、相手は美人だ。
俺は産まれてからというもの、貧乏だった。
世界が変われば良いと思って何度もタイムトラベルをしたけれど、俺の世界はいつも貧乏で変わらない。生活だってアルバイトを何個もしているのに、上手くいった試しがない。
その世界での俺は、居場所もなく、世間体も悪く、働いても賃金は安く、何をやってもうまくいかない。最低なラインの生活を送っていた。
俺の中ではもう既にそれは当たり前となっていて、美沙が現れて付き合う事になってから、俺の生活は変わっていった。
デート代を支払う事もなかったし、美沙の広いワンルームに転がり込んでも嫌な顔をされなかった。美沙の仕事は水商売で、そういうことを我慢出来れば、俺にとっては天国みたいに居心地が良い世界だった。
でも、美沙と付き合うようになってから水商売をしていることが気になり始めた。
どうして俺以外の男に優しくするんだろう、と。
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