旧知の友

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 その公園はとても小さく、住宅の隙間にポツンと存在していた。  遊具もシーソーとブランコが一つずつしかない。キャッチボールすら出来そうにない広さだった。  そこに二人の男が立っていた。一人は腕に包帯を巻き、それを肩から吊っている。一見してその筋の者とわかる身なりで、年齢は二十代半ばといったところである。  速人はその二人を見た途端に、来たことを後悔した。  本物じゃん。どうなることやら。  その二人は速人らの姿を見ると、咥えていたタバコを投げ捨てて足で踏みにじった。 「おう、随分と待ったぞ」  まだ十七時半になるまでに五分以上あるが、速人は黙っていた。 「なんだ、ぞろぞろやって来やがって。用があるのはお前だけだぞ」  腕を怪我している男が俊介に向かって言った。 「いや、その、ただの付き添いです」  しどろもどろになりながら、俊介は言う。 「まあいい。それで金は持ってきたのか? こっちは仕事が出来なくて困ってるんだからな」 「いや、それがその……」 「何だ? 用意してないのか? お前、俺らのこと舐めてるのか?」 「そんな、とんでもないですよ。ただ、二百万なんてとても」 「そんでいくら用意できたんだ? やるだけのことはやったんだろうなあ」  怪我していない方が、俊介の顔を睨み付けながら言った。そのまま自分の顔を俊介のそれの目の前まで近付ける。 「五万円……くらいなら」 「ああっ! 五万? 桁が違うぞ。兄ちゃん」  怒鳴られた俊介は下を向いてしまう。その肩を男は軽く何度も手で押した。  速人は見ていられなくなった。 「ちょっといいですか?」  男は速人の顔をチラリと見たが、無視して俊介を小突き続ける。 「二百万はちょっとやり過ぎじゃないですかね?」  無視されたが、速人は構わず話し続けた。 「関係ない奴はすっこんでろ」  怪我した方が睨みながら、速人に向かって言う。 「それともお前が払ってくれるのか?」  そんなわけねえだろうが。速人は心の中で呟く。
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