第十八章 旅の終着点

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◇  キガリへ黒の四つ星軍旗を翻した戦闘集団がゆっくりと入城する。それをカガメ大統領が出迎えた。車列が止まり、数人の男が並ぶ。 「ルワンダ軍イーリヤ少将、ギタラマの賊徒であるンタカンダ大将を捕縛して参りました」  収監してある車を指す、敬礼は省略した。未だに戦時であるとの意味を表している行為だ。 「ルワンダ大統領カガメが承認する。貴官の活躍は多くの国民が称賛するだろう。良くやってくれた」  ことここに至ればもう島を無視することも出来ない。ならば大仰に誉め称えるしかないのだ。 「お言葉有り難く」  短く、そして感情を込めずに。表情が読み取れない、何かあったのか疲れているのか、大統領には解らなかった。  何せやることは沢山ある、話を切り上げて官邸へと戻っていく。 「引継ぎを済ませておけ」 「ウィ」  サルミエ大尉が諸般の事務手続きを行う。他所から引いてきていた人員も全て元通りにし、速やかに集団はフォートスターへと帰還することにした。  数日もしたら首都へ呼び出されるだろう、その間に様々手配しておく必要があった。
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