第十七章 群雄の競合

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◇  ゴマ東外縁、敵からの迂回攻撃をキベガ族が引き受けている。第五司令部も戦闘の渦中にあった。 「ブッフバルトは食らいついたか、ではこの先はチキンレースだ」  どちらが先に倒れて停戦するか、ロマノフスキー大佐は自身が死んでも戦闘を継続しろと皆に命じてあった。  大佐が戦死したら少佐が、少佐が戦死したら大尉が指揮を引き継ぎ何が何でもルバンガ将軍を捕えろと。  それぞれが戦いやすいやり方で交戦している、強烈な攻撃圧力を防いでいるのはサイード少尉の部隊だ。  上手いこと勢いを殺す守り方をしているようで、少数でも総崩れを起こさない。 「夜が明けます」  暗闇がパッと明るくなる。戦場の多くが明らかにされる、把握の為に映像を確かめた。 「劣勢か」  解ってはいた、それでも正直ルバンガ将軍がこうまで有能とは計算していなかったのも事実。  兵の運用が上手い、その点だけならロマノフスキー大佐と同等と言えた。  戦術指揮が同等、兵力は差がある、装備に偏りはあっても大差は無い。結果は素人が想像しても多くが将軍側有利と言うだろう。
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