甘い初恋

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『なかなか来ないから心配しました』 『すみません』 『彼は?』 吉彰は高史の腕を掴んでいる周二に目を向けた。 周二は手を離し『俺は高史の小学校の友達、鈴木周二といいます』と吉彰の顔を見ながら言った。 『俺は高史さんの恋人の山本吉彰といいます』 『周ちゃん吉彰さんはケーキ屋さんなんだ、今から吉彰さんの店でケーキを食べないか』 『俺はいいけど、迷惑じゃありませんか』 『美味しいですから食べてみてください』 吉彰は店に高史と周二を連れていき2階にあげた。 『俺の一押しのケーキを持ってくるから』 吉彰は階段をおりていった。 高史と周二は座布団の上に座り周二が口を開いた。 『下が店で2階が寝泊まりする部屋なんだ』 『周ちゃん、吉彰さんが言ったことなんだけど』 『高史の恋人って言ったこと?、驚いたけど俺は気にしないよ』 周二は携帯を開き見始めた。 『……』 高史は立ち上がった。 『どこに行くんだよ』 携帯を見ながら周二が言った。 『トイレ…』 階段をおりると高史は吉彰と会った。 『どこに行くんですか?』 『トイレに、すぐ戻ります』 高史は階段をおりていった。 『お待たせしました』 吉彰はテーブルの上に小皿とフォークとケーキを盛った皿を置いた。 周二は携帯を鞄の中に入れ小皿を掴むと『美味しそうだ』と言ってチーズケーキを小皿に乗せた。 『頂きます』 『高史さんいない間に聞きたいことがあります』 『何でしようか?』 周二はケーキを食べながら吉彰を見た。 『間違ってたらすみません、もしかして高史さんのこと好きなんじゃな…』 『心配しなくても大丈夫ですよ、高史のこと好きだけどそれは友達としてです』 『……』 『安心しましたか』 『ずいぶん仲良くなったんですね』 トイレから戻ってきた高史は吉彰の隣に座った。 『どのケーキが良いですか?』 『苺とチョコレート』 『はい』 吉彰は小皿を掴み苺のショートケーキとチョコレートのショートケーキを乗せ高史の前に置いた。 『頂きます』 美味しそうな顔でケーキを食べる高史の姿を見て周二が口を開いた。 『嫌なことがあっても彼がいれば忘れられるな』 周二は立ち上がった。 『周ちゃん、行くのか』 高史は口元にクリームをつけたまま周二を見た。
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