甘い初恋

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『授業が始まりますよ』 高史が席を立ったその時、桑野が現れ高史に近づいた。 『杉山先生、話があります』 『桑野、授業が始まるぞ教室に戻れ』 桑野の担任の先生が言った。 『先生の言う通り教室に戻って』 『俺は先生が好きです、俺と付き合ってください』 『……』 突然の桑野の告白に高史や先生方は驚いた。 『桑野、行くぞ』 担任の先生は桑野の腕を掴み職員室を出ていった。 『杉山先生、授業を始めましょう』 先生方は職員室を出ていった。 『高史先生…』 職員室に戻ってきた高宗は高史に近づいた。 『俺…生徒に真剣な顔で告白をされた…好きです付き合ってくださいって』 『初めて生徒に本気の告白をされてどうしていいかわからないんだろ』 『嬉しいけど、俺には…』 『吉彰がいる、そうだろ』 高宗は高史を見た。 『そうだ俺には吉彰さんがいる、昼休み、桑野に返事をするよ』 高史と高宗はそれぞれの教室に行き授業を始めた。 そして昼休み、高史は静かな場所で話すため桑野を屋上に呼び出した。 『職員室で話しても良いんだけど、先生方が口を出すから』 『返事ですよね』 『うん…桑野、俺は桑野と付き合うことは出来ない…俺には大事な人がいるから…』 『……』 『俺よか素敵な人がきっと現れるよ』 高史は落ち込む桑野の肩に触れた。 『俺は諦めません』 高史を見つめると桑野は屋上から離れていった。 『…桑野…どうしてそこまで俺のことを…』 高史は優しい風を受けながら空を見つめた。 『高史先生』 『……』 振り返った高史は高宗を見た。 『どうでした』 『付き合えないって言ったけど、桑野は諦めないって』 『桑野に新しい恋が見つかれば良いんだけど…』 『俺が何とかしましょうか』 小野田が現れた。 『小野田がどうして』 『友達だから…みのらない恋に苦しむ涼の姿は見たくない』 『小野田、桑野の心から俺を消し去ってやってくれ』 『わかりました、俺に任せてください』 『それじゃあ俺は行くよ』 高史は屋上から離れていった。 『高史先生は築いてないようだけど、もしかして』 高宗の言葉にうつ向き笑みを浮かべた小野田は顔をあげ口を開いた。
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