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それから暫くして高史が目を覚ました。
『…絶対許さないからな…』
高史は立ち上がり裸から衣服に着替えるとドアに向かった。
中村先生は高史の腕を掴み振り向かせると唇を重ねた。
『んん…やめろ…』
高史は中村先生を突き放し音楽室を出ていった。
男子校を出た高史は歩きながら家に向かった。
『中村先生は何を考えてるんだ、男に…』
中村先生に抱かれたことを思い出した高史は頬を赤らめた。
顔を左右に振り『早く帰ってシャワーを浴びよう』と言って高史は走り出した。
ー吉彰が経営するケーキ屋ー
『いらっしゃいませ』
吉彰は入ってきた中村先生に目を向けた。
『今、良いか』
『2階で待っててくれないか、アルバイトの子が来たら行くから』
『わかった』
中村先生は階段を上がり2階に行った。
『いらっしゃいませ』
吉彰はケーキを買いに来たお客様を接客し始めた。
その頃、中村先生は座布団の上に座って携帯を開くと高史の待ち受け画像を見ていた。
『2度もむりやり抱いてしまった…』
『可愛い女性だな』
吉彰は中村先生の背後から携帯を覗き込みながら言った。
『女性じゃないよ、男性だ』
『男性?女の人みたいな顔つきだな』
吉彰は向かい合って座った。
『店は良いのか?』
『アルバイトの子が来たから、それより話があるって何だよ』
吉彰の問いに中村先生は携帯の待ち受け画像を見せながら口を開いた。
『本気で高史が好きなんだ、だけど俺はむりやり抱いてしまった…高史とデートがしたいけど…』
『2人きりじゃデートをしてくれない、だからダブルデートがしたいってことか』
『聖子さんに頼めないかな』
『聖子も俺も高宗の好みは知ってるから応援するよ』
『ありがとう』
高宗は立ち上がった。
『余り物のケーキがあるんだ持って帰らないか』
『頂くよ』
『待ってろ』
立ち上がった吉彰は冷蔵庫からケーキが入った箱を取りだし高宗に差し出した。
箱を受けとると『ありがとう、じゃあな』と言って高宗は階段を下りていき店を出ていった。
その後、ケーキ屋は閉店した。
次の日、高宗は職員室で高史の姿を探した。
『宮崎先生、杉山先生は?』
『杉山先生はお休みですよ』
『休み…』
この時、高宗は思ったむりやり抱いたからショックで休んだんだと。
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