甘い初恋

41/76

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
『生徒達のこと気になるし途中からだけど出勤するか』 高史はスーツとズボンに着替え学校に出掛けていった。 高史は歩きながら吉彰に電話をかけた。 『もしもし吉彰さん』 『どうしたんですか』 『今、話をしてても大丈夫ですか?』 『えぇ、大丈夫ですよ』 『今から学校に出勤します、帰るとき電話をしますから』 『え!今から出勤するって…高史さん…切れてる』 吉彰は電話を切り携帯を持ったまま階段を上がっていった。 『店長、お客さん来ますよ…』 バイトの女性はため息をついた。 そこへお客さんが現れバイトの女性は笑顔で接客をした。 暫く歩き学校の門の前についた高史は職員室に行った。 ー職員室ー 『失礼します…』 ドアを開き中に入った高史は机に近づき椅子に座ると先生達が戻るのを待った。 『誰もいないに決まってるよな』 高史が独り言を言っていると授業を終えた先生達が戻ってきた。 『杉山先生、今日も休みだって聞いたのに』 先生達は高史に近づいた。 『休もうと思ったんですが具合も良いし、途中からだけど出勤しました』 『高史先生』 『心配かけてすみませんでした』 高史は椅子から立ち上がり高宗に頭を下げた。 『具合はもういいんですか』 『はい』 『吉彰の看病がよかったのかな』 『中村先生!』 高史は頬を赤らめながら椅子に座った。 先生達はそれぞれの席に戻っていった。 『高史先生、吉彰に話があるんですが』 『帰りに店に行きましょ』 『高史先生も聞いてほしいんだ』 『俺も!』 『聖子のことだから』 『わかりました』 『ありがとう…』 高宗は椅子に座りため息をつくと落ち込んだ。 『聖子さんのことだって言ってたよな、うまくいってないのかな』 高史は心配そうな顔で高宗を見つめた。 ー放課後ー 高史と高宗は吉彰の店に向かった。 その頃、吉彰はバイトの女性と忙しく接客をしていた。 無言のまま歩く高宗の顔を見つめると高史は高宗の手を握った。 驚いた高宗は足を止め高史を見つめた。 『聖子さんとうまくいってないんですか』 『え!』 『元気がないから』 『心配しなくても俺と聖子はうまくいってるよ、話しは…』 『話しは店で』 高史は高宗の手を握ったまま店に向かった。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加