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『最初から立派な父親なんていません、2人で力を合わせながら子供を育てることで立派な親になれるんです』
『吉彰に相談するつもりだったけど、高史先生に言われて決心がついたよ』
『すみません』
高宗の手を離すと高史はうつ向いた。
『謝らないでください、相談してよかった』
高宗は高史の頬に口づけをすると立ち上がり部屋を出て行った。
高史は頬を赤らめながら頬に手を当てると吉彰は『高宗…』と言って追いかけていった。
『高宗』
吉彰は店を出て歩いていく高宗に声を駆け足を止めた。
『感謝の気持ちだから気にするなよ』
『何かあったら俺たちに言えよ、聖子にも言っといてくれ』
『わかった、ありがとう』
高宗は歩いていった。
暫く高宗を見送り店に戻ろうとした吉彰は近づいてくる男性に驚いた。
『あきらさん!』
『吉彰君に話があるんだ』
『どうぞ』
吉彰はあきらを2階の部屋に連れていった。
『……』
高史は立ち上がり吉彰を見つめた。
『高史さん紹介します、親父の恋人、相川あきらさん…あきらさん、こちらは杉山高史さん、俺の大切な人です』
『杉山高史です』
高史はあきらに目を向け頭を下げた。
『可愛らしい方だ』
あきらは高史の顎を掴み唇にキスをした。
唇が離れると高史は頬を赤らめながらあきらを見つめた。
『あきらさん』
『怒らないの…ゴメンね、君が可愛かったからついキスしちゃった』
あきらは高史から離れ床に座った。
『あきらさんが会いに来るなんて、親父と喧嘩でもしたんですか』
『話しの前に吉彰君の店のケーキが食べたいな』
『わかりました、持ってきますから待っててください』
部屋を出ると吉彰は階段を下りていった。
『……』
床に高史が座るとあきらは口を開いた。
『高史君は仕事、何をしてるの』
『学校の先生です』
『男女共通の?』
『男子校です』
『男子校か可愛い男の子がいるんだろうね』
あきらは携帯を見ながら言った。
『気になるなら電話をなさったらどうですか』
『……』
あきらは携帯をテーブルの上に置き立ち上がると高史に近づいた。
高史はあきらを見つめながら『あきらさん?』と言った。
『高史君の体、抱かせて』
『え!ちょっと…』
高史はあきらに押し倒され体を触れられた。
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