甘い初恋

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『何で生徒達が』 『俺達の結婚式を祝ってくれた生徒達にお礼がしたくて連れてきました』 『店を早めに閉めますから2階で待っててください』 『わかりました』 高史は生徒達を連れて階段を上がり部屋に行った。 生徒達は好きな場所に座り始めた。 『俺達が愛の巣に入っちゃって良いのかな』 『愛の巣って、何を言ってんだ』 頬を赤らめる高史に生徒達は笑った。 接客をしていた吉彰は2階から騒ぎ声が聞こえクスッと笑った。 『店長、今日は早めに終わらせたいんですが』 『用事があるなら早めに終わらせて良いよ、君には迷惑をかけてるからね』 『それじゃあ、今から』 『良いよ、お疲れさま』 『お疲れさまです』 バイトの女性が仕事を終わらせ帰っていくと吉彰は1人で接客を始めた。 それから暫くして吉彰は店を閉めパティシエを帰らせた。 『人数が多いからロールケーキが良いか』 吉彰はケースからロールケーキを2本、取り出し一口サイズに切ると皿に乗せ2階に運んだ。 『ずいぶん楽しそうだね』 吉彰は皿をテーブルの上に置いた。 『食べても良いんですか?』 『どうぞ、足りなかったら持ってくるから』 吉彰はベットに座っている高史に近づき隣に座った。 『店はもう閉めたんですか』 『バイトの女性が用事があるって言うから』 『そうですか』 『……』 吉彰は高史の手に触れながら顔を見つめた。 『生徒達がいるから今は駄目です』 高史は小声で言いながら吉彰の手を離れさせた。 『美味しいなこのケーキ』 生徒達は話をしながらロールケーキを食べていた。 そんな中、井上はちらっと高史と吉彰を見て松岡に話しかけた。 『俺達、邪魔じゃないのか』 『そうだな、高史先生に言って帰るか』 松岡は立ち上がり高史に近づいた。 『松岡、どうした?』 『そろそろ帰ります、明日はちゃんと授業をしましようね…吉彰さん、ケーキ美味しかったです』 松岡の言葉で生徒達は立ち上がった。 『今度は買いに来てください』 『はい』 松岡を先頭に生徒達は階段を下りていき店を出ていった。 『俺達を気にして帰るって言ったのかもな』 『帰ってほしかったくせに落ち込んでるんですか』 高史は吉彰を押し倒し膝にまたがるとスーツを脱ぎ上半身裸になった。
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