―バンビちゃん―

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それでも、籠が少なそうな人の後ろを狙って並ぶ。 実はあまり並ぶのは好きではない。 イケメン君であれば、ワクワクもするが今日はまったくそういう気もなく、会計が済んだら併設のカフェでお茶することが楽しみだった。 にしても。。。 (おそっ!!) 少々眉間にしわを寄せつつ、レジ係を覗くと、 こりゃまたかわいらしい、小柄な中学生???かと思うような女子が……。 たどたどしい事この上ない。 震えてんじゃないか?と思うような手つきで、読み込みをしている。 籠に入れるのもそ~っと。 でも真っ赤になりながら、必死な姿は健気にも見える。 よくよく見ると、かわいい子だった。 若い男性の会計じゃなかったら、たぶん苛々爆発されてんだろな……。 そう思いながら、周りより数段遅いその動きに、諦めて待った。 私の後続はどんどん他のレジに回る。 やっとこ自分の番になって、 「レジ袋いらないです。」 と言うと 「ひゃい!あ!はい!ありがとうございます!おまたせしましたっ。」 そう返ってきた。 (純情そう~。) 銀縁フレームのメガネ。頭よさそうな表情と、優等生みたいな二つわけの黒髪。日焼けのない顔。細っこい腕。バンビちゃんかっ! 私のアンテナ発動です! (ストライクだな♪) たどたどしく、読み込みをしていた彼女がふと手をとめた。 「ぁ…あの!」 (いかん!みつめちゃったのばれた??) 「玉子。あの、もしかして特売のお持ちになりましたかっ?」 (玉子?!)
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