第一話 本気かどうか

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俺が驚く顔をすると中山も驚いた顔をした。 「高校の時、告白しただろ?まさか……覚えてないのか?」 「覚えてない!佑衣斗兄ちゃんと間違えたんじなないのか?」 「いや。俺が好きな人を間違えるはずがない!」 どこからわいてくる根拠なのか分からない……。 すると中山は優しく俺の頬に触れた。 「ならもう一度、言う。俺はお前が好きだ。」 「な、なにを言っているんだ!あんたは!」 俺はおもわず、中山を突き飛ばして自分と間をとった。そしてビシッと指をさして言った。 「どうせ、俺を遊んでるんだろ?!」 「遊んでない。」 「なら佑衣斗兄ちゃんと間違えてる!」 「間違えてない。」 スッパリと言う中山の目はシッカリと俺を見ている。もしかして本気なのか? 「唯那、そんなに俺が信用できないか?」 「あぁ!」 「なら……。」 中山は急に近づいて来て、俺の両腕を掴んだ。 「な、中山っ!?」 「本気だって分からせてやるよ。」 「……は?ちょっ……!」 中山の顔が近づいてきて、熱い吐息が感じられる所まできたとき…… 「ちょい待てー!!」 「っ!!?」 俺はおもいっきり、中山の足を蹴ってやった。中山は痛かったようで俺から離れて足を抑えている。 「痛てーな、チクショー!仮にも俺はお前の上司だぞ!?」 「こっちは仮にも部下だ!わいせつ行為で訴えるぞ!!」 その後、お互いに落ち着きを取り戻した。 そろそろ俺は仕事をやりたいし、中山も仕事がたまっているはず。 「それじゃあ、俺は仕事に戻るから。今のはなかったことにしといてやる。」 部屋から立ち去ろうと、中山に背中を向けた。そしたら中山に声をかけられた。 「唯那、俺は本当に好きなんだ。考えといてくれ!」 「……俺には…他に好きな人がいるから無理だ。」 そのときの中山の顔をは分からなかったけど、なにも言われなかったので部屋から出て行った。
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