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俺が驚く顔をすると中山も驚いた顔をした。
「高校の時、告白しただろ?まさか……覚えてないのか?」
「覚えてない!佑衣斗兄ちゃんと間違えたんじなないのか?」
「いや。俺が好きな人を間違えるはずがない!」
どこからわいてくる根拠なのか分からない……。
すると中山は優しく俺の頬に触れた。
「ならもう一度、言う。俺はお前が好きだ。」
「な、なにを言っているんだ!あんたは!」
俺はおもわず、中山を突き飛ばして自分と間をとった。そしてビシッと指をさして言った。
「どうせ、俺を遊んでるんだろ?!」
「遊んでない。」
「なら佑衣斗兄ちゃんと間違えてる!」
「間違えてない。」
スッパリと言う中山の目はシッカリと俺を見ている。もしかして本気なのか?
「唯那、そんなに俺が信用できないか?」
「あぁ!」
「なら……。」
中山は急に近づいて来て、俺の両腕を掴んだ。
「な、中山っ!?」
「本気だって分からせてやるよ。」
「……は?ちょっ……!」
中山の顔が近づいてきて、熱い吐息が感じられる所まできたとき……
「ちょい待てー!!」
「っ!!?」
俺はおもいっきり、中山の足を蹴ってやった。中山は痛かったようで俺から離れて足を抑えている。
「痛てーな、チクショー!仮にも俺はお前の上司だぞ!?」
「こっちは仮にも部下だ!わいせつ行為で訴えるぞ!!」
その後、お互いに落ち着きを取り戻した。
そろそろ俺は仕事をやりたいし、中山も仕事がたまっているはず。
「それじゃあ、俺は仕事に戻るから。今のはなかったことにしといてやる。」
部屋から立ち去ろうと、中山に背中を向けた。そしたら中山に声をかけられた。
「唯那、俺は本当に好きなんだ。考えといてくれ!」
「……俺には…他に好きな人がいるから無理だ。」
そのときの中山の顔をは分からなかったけど、なにも言われなかったので部屋から出て行った。
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