第一章
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だが、残念な事に僕にしてみれば今朝出かけて帰ってきただけなのだ。 感動もなければ、実に不思議な気分だった。 母の話では、僕は四十年程行方不明だったと言う。 喜ぶ母とは打って変わり、村人は僕を怪訝そうに見る。 当たり前だろう…。 母だけなのだ。 なんの疑問も抱かず、なんの躊躇もなく喜んでいるのは。
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