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気付いたら、私はリアだった。
気付いたら、私は魔女だった。
気付いたら、私はここにいた。
時は中世。
魔女狩りが盛んに行われていた…。
人の醜い争いは絶えず、人は人を蔑み、人は人を傷付け…そんな時代に私はいた。
その中で驚いたのが一つだけ。
明らかに異端児である私を、人は遠回しに盗み見ることはあっても、決して私を魔女裁判にかける事はしなかった。
人は魔女の後ろにいるだろう神や悪魔を恐れ、本物には触れる事もせず、的外れな者達を拷問し殺していたのだ。
その姿があまりにも滑稽で、あまりにも愛おしくて、私はクスリと笑う。
「あなた達が思い描く神や悪魔…はたしているのかしらね?」
目を細めて私は一人笑みを漏らした。
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