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私の呟く声に、反応するのはそこにいる異質な者達。
私を魔女と呼んだ異質な者。
箒で空は飛べない。
魔法も使えない。
黒服に身を包んでるのでもない。
それでも私は異端児で、私は魔女だった。
「君は神や悪魔はいないと思うのかね?」
闇が私に問う。
澄んだ男性の声は、いつも唐突に声をかけてくる。
もし…悪魔がいるのならきっと、彼がそうなんだろう。
「神と悪魔…いるかいないかと聞かれたら、私はいると答えるよ」
ほうっと囁く声が聞こえる。
無機質で感情を一切感じない…そんな音色。
「想像する神も悪魔も…きっと異常で異質だから、私達と大して変わらない。
それに…………」
一拍置いて口を開く。
「それに人間が口にする神や悪魔は、きっと元は私達と同じだろうから」
奏でる私の声は風に乗り、澄んで響くが誰の耳にも入ることはない。
そう…同じ。
人間が思い描いた綺麗な者でも恐ろしい何かじゃない。
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