ちぎれた灰のセカイ

一、風呂に入る時は鍵をかけよう

しかしちょっと待てよ、果たして私はオンナノコに分類されていいのだろうか。もちろん生物学上は紛うことなく女であるが、心意気というか、精神的なモノはオンナノコを名乗っていいレベルに達していないと思う。性同一性障害とかそういうデリケートな問題でもないが。ただただ単純な話、私はオンナノコと思えないくらいガサツで喧嘩っ早い(ひ弱なインドア派なので喧嘩っ早いといいつつも主な攻撃手段は口撃な訳だが)。

因みに私の血液型はA型なのだが、同級生(友達ではない)からは「AB型じゃないの！？」と驚かれた。ちょっと待て、AB型って変人ってことじゃないか。(いや実際のAB型が変人かどうかは知らないが、変人と言われていることは知っている)

なるほどつまり、血液型診断とか、A型は真面目だとか、そんなものは当てにならんと言うことだろう。というか日本は殆どがA型らしいと聞く。なら日本は真面目ちゃんばっかの国と言うことになるだろう。確かに真面目ちゃんもたくさんいるものの、引きこもりとかニートとかがいる時点で真面目…？である。流石にニートや引きこもりの類が全てA型以外の血液型ではないだろう。A型だって混じっているはずである。

そんなことをつらつら考えつつ、タオルをとってドアを閉めた。バシンとかなりいい音がドアからしているが、壊れていなければ何も問題はない。上にある鍵をかける。変態がドアの向こうで何か言っているが聞く必要がどこにあるのか。また、それを聞こうとするものがどこにいるのか。そんな訳で私もさっくり無視して冷たくなった体に温かいシャワーを浴びせた。流石に冷やした体で出るほど私は非常識ではない。お腹を壊すことくらいわかる。

ほかほかと湯気を立てる体を念入りに拭いておく。いつもはガサツな私らしく多少濡れて居ても気にしないのだが、確実に風呂をでたら変態がいるだろう。変態の前でまだ濡れている状態の女がいるなんて十中八九性的に食べられるだろう。

あと、アレが私で興奮している様を想像すると核爆弾を投げ捨てたくなるので、せめてもの処置と言うことだ。まあ、私の貧相な体で誰かが興奮するなんてことを期待するなんて自意識過剰なクソアマではないが、備えあれば憂なし。あの変態がこんな貧相な体にも興奮する特殊な性癖であると仮定して動いて居た方がいいだろう。