第1章

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今年の夏も夢を見た! また、あの夢だ。 私が恋愛をして、結婚する夢…。 藤堂朱理は、旅行会社で働くOLであった。 懐かしい温もりが、風鈴の音によって甦る。 子供の頃、小川ではしゃいでいた自分。 今の自分は、コンクリートジャングルで働くただの女性だった! 朱理は、唇をキュッと強く噛んで、我慢するように仕事に向かった。 毎日、変わらない日々だった! あの男が現れるまでは…!? 朱理は、夏が嫌いだった。 そんな朱理を変えた男がいる。 三島大。電気会社の営業回りだ! 大は電気が大好きで会社では、期待の新人ともてはやされた。 そんな二人が出会ったのは、ある暑い夏の日。 大はいつも通り営業で会社を回っていた。 「今日は、新しい会社に三つ行かないといけないな…」 大は手帳を覗き込みながら、今日のスケジュールを頭に叩き込んでいた。 大は新人だったが、そのできる仕事ぶりから、新しい仕事をドンドン回されていた。 大は嬉しかった。 何より電気を使ってくれる人がたくさん増えるのが嬉しかった。 少し遠出した所で、寂しいなと思った。 そして、新しい出回り先に着いた! 「旅行会社か…」 事前にそれほど、情報を回されていない大はほとんど、飛び込んで会社に入った。 とはいえ、アポイントはちゃんと取ってるから安心である。 「失礼しま~す!」 大はこっそり、会社に入った。 そこで受付で待っていたのが、朱理であった。 はじめの、大の朱理の印象は、箱入りのお嬢様という風だった。 確かに、朱理は資産家のお嬢様だったが、母親を早く亡くしていた。 「どうも!営業の三島大です!」 大はいつもの営業スマイルで、頑張って挨拶した! しかし、朱理は、クスクスと笑っていた。 「はじめまして!藤堂朱理と申します!」 朱理は、どうやら大の挨拶が面白かったらしく、明るい笑顔をしていた! 大はドキッとした!やべえ!?かわいい!俺、そんなつもりで来たんじゃないけど…。 朱理と大が恋に落ちるのは、すぐだった…。
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