episode155 無理強い②

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episode155 無理強い②

残酷な悪魔は いつも甘い笑みを浮かべて近づいてくる。 そうだ。 ピンク色のネクタイを解いた九条敬みたいに。 「君は自分のやり方が――この子にとって一番だと信じて疑わないようだけどそれは違う」 乱れた栗毛のラファエロは 不安げに身を起こした和樹を その手にそっと抱きとった。 「希少な花だよ、和樹は」 洗練された指先が 滑らかに頬を下り 「――咲かせるのは酷く難しい」 言葉通り しごく丁寧に蕾を開かせるように 半ば開いた赤い唇にあてがわれる。
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