第1章

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 マウスを握る手を震わせながら、 傍らに置いてあった小箱に視線を向ける。 小箱の中には、 苦労の末に手に入れた武器が納められていた。 二人の野望を実現するための武器である。  「兄貴。 やっぱり、 七カ所が限度なのかな?」弟も、 小箱に視線を向ける。  「中途半端に破壊しても、 意味がないだろう?」  「そうなんだろうけどね」  「さぁ、 最初のターゲットは決まった。 次のターゲットだけど、 お前なら、 どう考える?」  兄が、 弟の顔を覗き込んだ。  「オレなら……」弟が、 つばを飲み込む。  「警察庁なんか、 どうだろう? 治安の中枢を担っているからね」  「警察庁なあ……」  「兄貴の構想には、 警察庁は入っていなかったのか?」  「もちろん、 入っているよ。 ただ、 そこよりも先に狙うべきターゲットがあると思っているんだ」  「どこ?」  「防衛省だよ。 国防の中枢機能が集まっている。 早めに潰しておいたほうがいいと思う」  二人の間で、 第二、 第三のターゲットが、 防衛省、 警察庁であると決められた。
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