第1章

10/305
前へ
/305ページ
次へ
 「ある意味、 すごいよね。 だってさぁ、 小学校のときだって、 三年生の時以外は、 ずっと同じクラスだったでしょう?」七海が、 記憶を振り返りながら口にする。  「そんなことって、 あるんだね」美咲も、 素直に驚いている。  拓海も、 つくづく縁があるのだなと感じていた。 幼稚園の時も含めれば、 実に、 十年間で九回も同じクラスだったわけである。  (そりゃ、 親同士も仲良くなるわけか)拓海は、 母親同士が、 ママ会と称しながら、 しょっちゅうランチやおやつを一緒に食べていることを知っていた。  「ところでさぁ。 新垣って、 どう思う?」海斗が、 新しく担任になった新垣先生のことを呼び捨てにした。
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加