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 スタンプを返して、スマフォと目を閉じた。  数回の深呼吸を繰り返し、目を開いた。  うん、俺は、もう大丈夫。  真壁への想いを捨て切ることはまだできないけれど、哀しいばかりではない自分がいる。きっと、次に進める。  単純な自分に苦い笑みを漏らし、出掛ける準備をした。  麻広ちゃんの次にメッセージを送ってきた、クソ男が呼んでいるから。    いつも以上に清々しく感じる朝陽に目を細め、伸びをして憎たらしいメッセージを表示するスマフォをベッドに投げ捨てた。 『10時までに駅前に来い。でないと公開処刑』  黙れ。と返信をして。 .
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