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「何」
「悪い」
「は?」
お前が小さいの、忘れてた。
ぼそりと呟くとそのまま俺の頬にペットボトルを押し付けてきた。……冷たいんだけど。
それに、169だからそんなに小さくねえし。四捨五入で170だし!!
お前なんか無駄に身長ばっか伸ばしてるから身体付きはひょろっひょろで真壁と同じ185には全く見えんわまっっったく!!!
――以上を口に出すのも億劫なので視線に乗せて睨みつけると、佐野はばつが悪そうに俺かから目を逸らした。
「……俺、ちゃんと笑ってたじゃんか」
「何を突然」
「神谷が言ったんだろ。ちゃんと笑ってたのに、笑ってないとか」
「あれが笑ってる? 寒いこと言ってんなよ」
俺には水を押し付けたくせに、自分はしっかりとコーラを持っている。特に飲みたいわけではなかったけれど、俺との格差を示すようなそのチョイスに苛立って、コーラをぶん取りミネラルウォーターを押し付けてやった。
や、別にこいつより劣ってるとか、そういう風に思ったことはないけど。
「本当の笑顔とはこういうのを言うんだ馬鹿め」
スマフォに入っていた真壁と聖と俺の写真を見せつけた。
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