はじまりなんです。

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 テレビで某珍獣ハンターが、また世界的に有名な雪山の登頂に成功したのを観て触発された俺は、ふと雪山登山をしようと思い立った。  ひとりじゃつまらないので、長年付き合っている彼女を連れて行く事にした。彼女は突然の思い付きにも関わらず、嫌な顔しないで俺について来てくれた。  天気は快晴。山の標高もさほど高くないという事もあり、本格的な準備はせず予備知識も装備も持たず、軽い気持ちで挑んだ事を後悔した。  突然の猛吹雪。山を舐めていた。太陽は灰色の雲に覆われ視界は薄暗く、何より吹き付ける雪で目も開けていられない。  しかし命からがら、何とかビバークできそうな洞窟を見付け、こうして現在、彼女と寄り添いガタガタ震えているわけだ。
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