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「だっ……ダメよっ! 寝ちゃダメ! 私を差し置いて寝るなんて許さないっ!」
ガクガクと脳が揺れる衝動を感じる。どうやら彼女が俺の頭を掴んで揺らしているらしい。
「起きてっ! 起きろ! 起きろ起きろ起きろ起きろ起きろっつってんだろ! 起きやがれゴルァーーーーっ!」
こんどは両の頬に痛みが走る。目を閉じていても往復ビンタを受けているのだと分かる。こんな声を張り上げ取り乱した彼女、初めてだ。
嬉しいな……そんなに、俺の事を必要としてくれるなんて……。
それでも目を覚まさない俺に、彼女は掴んでいた手を離し、今度は声のトーンを落とし冷酷に言い放った。
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