1.あの子の名前

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「なんか飲む?」と訊くと、「いいから、寝る準備でもしとけー」と言われた。 「そうだけど」 「アイスノンとかある?」 「うん。冷凍庫にあった気がするけど」 「勝手に取ってきても大丈夫?」 「いいよ。あっ、冷えピタ入ってるかも」 キッチンの場所を説明すると 「了解。あと、うまそうなのあったら持ってくるわ」 「なにお腹空いてんの」 階段を下りていく足音を聞きながら、パジャマに着替えることにした。 けっこう熱あがってるかも。ボタンがなんか外しにくいし。風邪なんて久しぶりにひいたかもしれない。 脱いだスカートをベッドに置くと、「亜実、これでいい?」と、ドアが開いた。
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