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それからすぐにまどろんで、いつの間にか眠っていた。
ドアのノックの音がして、目を覚ます。
「ヒロム?」って、言ったらお母さんが、壁の電気をつけた。
「なに寝てるの?ご飯は?」と、言うから、まだ夕方を過ぎたくらいだって、わかる。
「食べたくない。熱、あるし」
「本当に?」と、額に手をあてた。
「バイトなんか行くから」と、少し呆れたような顔をしたけど、すぐに「なにか温かいの作るね」と、部屋を出て行った。
食欲なんかない。
風邪のせいかもわかんない。
頭がぐらぐらするけど、それも、風邪のせいかわかんない。
怒ったような、呆れたような、困ったようなヒロムの声が聞こえる。
何度も、何度も鼓膜を揺らす。
傍にいないのに、声がする。
やっぱり風邪のせいかもしれない。
彼がそのとき、何を思っていたのかもわかんない。
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