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急いで身支度を終わらせると、ヒロムはコンビニの雑誌コーナーで立ち読みをしていた。ガラス越しで目が合うと、彼はすぐに出てきた。
「ごめん。お待たせ」
「おう。いいよ。急に悪いな」
「ううん」
ゆっくりと、歩幅を合わせるように歩いた。通りの店も、クリスマスカラーだ。
「今日から、バイト復帰?」
「うん」
「なんか、しんどそうだったもんな」と言われるから、あの日のことを思い出して恥ずかしくなり、「けっこうね。にしてもさ、店の中がクリスマスになっててびっくりした」と話題を変えた。
「この前、みんなで飾り付け手伝わされて大変だった。店長、センスないからってさ」と、楽しそうに笑った。
「クリスマスか。早いね」としみじみした。
駅が少し遠くに見える。そこにある大きなツリーとトナカイが冬の象徴みたいな輝きを放っているのがわかった。
今年はどう過ごそうか?って、そんな話題を口にしようとしたときだった。
「今年のクリスマスさ、みんなで過ごそうかと思うんだけど」と、ヒロムが言ったのは。
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